親知らずの移植

投稿日:2017年11月29日

カテゴリ:治療

今日も患者さんに提供して頂いた写真を掲載してお話したいと思います。

「親知らずの移植」というテーマなので、写真には外科的なものが写っています。

そういうのは見たくない、という方は見ないで下さいね!

さて、今回のケースですが、抜歯が必要なのは左上の七番目の歯。

ドナー歯はその一つ奥の親知らずです。

この写真で、大きく欠けている歯を抜歯します。

少しだけ頭が見えているのがドナー歯の親知らずです。

これが術前のCTです。

お口の中では親知らずの頭のほんの一部しか見えていませんが、CTで確認すると、抜歯する歯のすぐ後ろに縦に生えているのがわかります。

これならドナー歯として使えそうだと判断しました。

しかも、親知らずの根が完成していないので根の治療なしで生着してくれる可能性があります。

移植先を予定している部位の歯を抜歯したところです。

抜歯したところの蜂の巣みたいに見えるのは、抜歯した歯の根が入り込んでいたところで、骨の薄い壁のようなものが残存しているものです。

これがあるとドナー歯が入らないので、これらを除去します。

薄い骨を除去したところです。

一つの大きな穴に形成されているのがわかると思います。

ドナー歯として抜歯した親知らず。

この根に付着している歯根膜が移植の成功の鍵を握っています。

抜歯した部位にドナー歯を設置して縫合しています。

このように歯牙移植は、普通であれば使い道のなかった歯が違う場所で新しい役目を負うことができる素晴らしい処置です。

インプラントも素晴らしい治療ですが、その前段階として、可能であれば歯牙移植を検討するのもいいのではないでしょうか。

 

これらの写真全ては患者さんの了承を得て掲載しています。